中高生が生成AIで「自分専用のAI家庭教師」を作る講座、各回10名で参加無料——第1回は受付終了、8月7日分は8月3日まで

教育

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「次世代AIアカデミー」チラシ。2種類のプログラムと開催日程が示されている [自治体の公式公開情報] 出典:福山市公式サイト(次世代AIアカデミー チラシ) ※著作権は原権利者に帰属します。出典表示は許諾に代わるものではありません。掲載に関するご指摘がございましたら、お問い合わせいただければ確認のうえ削除・訂正に対応します。

福山市が、中学生・高校生向けの生成AI体験プログラム「次世代AIアカデミー」を開催します。掲載日は2026年7月27日。全6回で各回の定員は10名、参加費は無料です。

プログラムは2種類あります。「(1)AIで自分を知ろう 自己分析編」と「(2)AIで自分専用の先生をつくろう AI家庭教師編」。

僕がこの企画で目を留めたのは、2つのプログラムが順番になっていることでした。

自己分析が先、AI家庭教師が後

日程内容時間申込期限
第1回8月1日(土)自己分析編10時30分〜12時00分受付終了
第2回8月1日(土)家庭教師編14時00分〜15時30分受付終了
第3回8月7日(金)自己分析編10時30分〜12時00分8月3日(月)17時
第4回8月7日(金)家庭教師編14時00分〜15時30分8月3日(月)17時
第5回8月20日(木)自己分析編10時30分〜12時00分8月14日(金)17時
第6回8月20日(木)家庭教師編14時00分〜15時30分8月14日(金)17時

同じ日の午前が自己分析編、午後が家庭教師編です。市の説明には「※(1)と(2)は別々の時間帯に実施されます」と書かれています。

そして家庭教師編の説明がこうです。「自分の強みや弱み等を把握した上で、自分自身の特徴に合った学習アプローチを提案する『専用AI家庭教師』を作成します」。

「自分の強みや弱み等を把握した上で」という前提が入っています。つまり午前の自己分析編で出した結果を、午後の家庭教師編で使う設計です。

いや、これは生成AIの使い方としては筋が通っています。AIに「勉強法を教えて」と聞くと、誰にでも当てはまる一般論が返ってきます。自分の特徴を入力してから聞けば、返ってくる内容が変わる。

自己分析編の説明も同じ構造です。「生成AIを利用して自分自身の強みなどを知るための自己分析を行うことで、生成AI活用イメージを掴むとともに、自分自身を振り返る機会を提供します」。

生成AIの使い方を学ぶことと、自己分析をすることが、同時に起きる設計になっています。

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チラシ2ページ目。参加対象と申込方法が記載されている [自治体の公式公開情報] 出典:福山市公式サイト(次世代AIアカデミー チラシ) ※著作権は原権利者に帰属します。出典表示は許諾に代わるものではありません。掲載に関するご指摘がございましたら、お問い合わせいただければ確認のうえ削除・訂正に対応します。
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チラシ上部。「参加費無料」「PC貸出あり」「アカウント用意あり」「先着順」が並ぶ [自治体の公式公開情報] 出典:福山市公式サイト(次世代AIアカデミー チラシより該当部分) ※著作権は原権利者に帰属します。出典表示は許諾に代わるものではありません。掲載に関するご指摘がございましたら、お問い合わせいただければ確認のうえ削除・訂正に対応します。

表層は「生成AI体験講座」、本質は「学校の外に置いたAI教育の場」

会場を見て、僕はこの企画の位置づけを理解しました。

福山市ユースセンター「ふらっと」(天満屋福山店7階 福山市元町1番1号)。百貨店の7階にある若者向け施設です。チラシには主催として「福山市」が記載されています。

学校ではありません。市の教育委員会でもなく、担当はデジタル化推進課(084-928-1254)です。

これが重要だと僕は思います。生成AIを学校の授業に入れるには、指導要領との整合や教員の研修、保護者への説明が必要です。時間がかかります。

一方、市の施設で希望者を集めて講座を開く形なら、来年度を待たずに始められます。定員10名という規模も、学校単位では出てこない数字です。

そして参加対象が「福山市内に在住又は通学する中学生及び高校生」。学校を通した募集ではなく、本人が申し込む形です。市の説明にある問いかけが率直です。「『生成AIってよく聞くけど、いまいち使い方が分からない。』『もっと自分の生活に生成AIを活用したい!』」。

さすがに、2つめの動機を持っている中高生はすでに触っています。1つめの層を取り込めるかが定員10名の埋まり方に出るでしょう。

第1回と第2回(8月1日)は7月27日17時で受付終了と表示されています。市が「受付終了」と明記しているのは、定員に達したか、期限が来たかのどちらかです。掲載日が7月27日なので、告知と締切が同日という慌ただしさもあります。

意外と、この日程の詰まり方は事業の性格を表しています。夏休みに合わせて組んだので、告知の余裕がなかった。

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チラシ下部。「この講座でできること」として4項目が並ぶ [自治体の公式公開情報] 出典:福山市公式サイト(次世代AIアカデミー チラシより該当部分) ※著作権は原権利者に帰属します。出典表示は許諾に代わるものではありません。掲載に関するご指摘がございましたら、お問い合わせいただければ確認のうえ削除・訂正に対応します。

「秋頃にも開催予定」と書いてあること

市のページに2回、秋の開催予定が書かれています。「※同様のイベントを秋頃にも開催予定です」「※秋ごろ開催予定のイベントについては、後日募集します」。

僕がここを評価するのは、夏で終わらせない前提を示しているからです。定員10名×6回で60名。福山市の中高生の総数からすれば、ごく一部です。1回の夏で終われば、単発の催しにすぎません。

秋にも開くと書いているなら、夏の実施内容を見直して次に回す形になります。プログラムを固めて反復する意図が読めます。

そもそもこの手の講座は、教える側の準備が重い。生成AIの使い方を中高生に90分で教えるには、進行の台本と、途中でつまずいた子への対応と、出力内容の確認が必要です。60名分の運営を1回作れば、2回目以降の負担は下がります。

持ち物は「不要」で、注記に「筆記用具や飲み物等、個人で必要なものは各自お持ち込みください」。チラシには「PC貸出あり」「アカウント用意あり」と明記されています。端末もアカウントも市側が準備する形です。

僕はこの2つの表示を、実務上の要点だと見ています。中高生に自分のスマートフォンで生成AIを使わせると、サービスごとの年齢制限や利用規約の同意の問題が出ます。市が用意したアカウントで市の端末を使うなら、そこを市側で処理できます。

申込は市の申込フォームからで、先着順です。

追いかけるべき点

僕が追いたいのは3つです。

ひとつめは、各回10名が埋まるかどうかです。第1回・第2回は受付終了と表示されていますが、定員に達したのか期限が来たのかは書かれていません。第3回以降の埋まり方が、需要の実態を示します。

ふたつめは、使用する生成AIサービスです。アカウントは市が用意すると明記されていますが、どのサービスを使うかは公表されていません。参加した中高生が講座の後に自宅で続けるかどうかは、そこに左右されます。

みっつめは、秋の開催で内容が変わるかです。夏の6回で得た反応が反映されるなら、プログラムの完成度が上がります。同じ内容の繰り返しなら、参加者を増やすことが目的になります。

チラシがPDF(1.1MB)で公開されています。問合せは福山市デジタル化推進課(084-928-1254)です。

参照した主な情報

福山市「中学生・高校生向けイベント『次世代AIアカデミー』を開催します!!」