福山通運ローズアリーナで開催された Rose Expo FUKUYAMA 2026 の会場外観(公式掲載写真)
2026年5月16・17日、福山通運ローズアリーナで開催された Rose Expo FUKUYAMA 2026(福山祭委員会公式サイト掲載) [公式公開情報] 出典:福山祭委員会(第59回 福山ばら祭2026 公式) ※著作権は原権利者に帰属します。出典表示は許諾に代わるものではありません。掲載に関するご指摘がございましたら、お問い合わせいただければ確認のうえ削除・訂正に対応します。

2026年5月17日(日)11時から、福山市緑町の福山通運ローズアリーナで、第59回福山ばら祭2026の連動イベント「Rose Expo FUKUYAMA 2026」のガーデントークが始まりました。午前はコマツガーデンの後藤みどりさんが「ばら庭づくり」を、午後にはガーデンデザイナーの阿部容子さんらがコラボトークを行いました。

福山祭委員会の公式ページ(https://fukuyama-matsuri.jp/smarts/index/395/)に掲載されている範囲で整理します。入場は無料、会場は10時から17時まで開放されていました。会場住所は福山市緑町2-2、公式の地図リンクからも確認できます。

僕が追いかけたのは、見本市の展示よりも、庭づくりの話がそのまま暮らしの設計図になるかという一点です。プレビュー記事が開催前の見どころを列挙するのに対し、本稿は5月17日の講演枠に焦点を当てます。当日の来場者数や会場の混雑具合は、現時点の公式掲載だけでは確定できないため、プログラムと登壇者情報を中心に書きます。

5月17日、ローズアリーナで何が起きたか

Rose Expo FUKUYAMA 2026は、2026年5月16日(土)・17日(日)の2日間、福山通運ローズアリーナで開催されました。公式の開催概要では、入場料無料・10時から17時までとされています。

17日(日)のステージは、午前の個人講演から午後のコラボ、さらに別枠の特別講演まで、「聞く→真似する→庭の時間を言語化する」という流れがはっきりしています。う〜ん、ここだけ切り取ると「ばら好き向けの講演会」に見えますが、公式プログラムを並べると、小さな住まい・鉢栽培・デザイン・育種が同じ会場でつながっているのが読み取れます。

時間(5月17日)公式タイトル主な登壇者
11:00~12:00鉢でも小さなスペースでも夢をかなえる私のばら庭づくりコマツガーデン 後藤みどりさん
13:00~14:00私の庭の幸せ時間ガーデンデザイナー(かたくり工房)阿部容子さん、ガーデナー(branchplace)天野麻里絵さん、河本バラ園・河本麻記子さん(オンライン)
15:00~16:00ローザンベリー多和田の魅力ローザンベリー多和田オーナー大澤惠理子さん、福山ばら大学学長上田善弘さん

※時間・表記は福山祭委員会公式ページ(2026年5月時点の掲載)に基づく。

会場周辺では、New RosesコーナーやWelcomeガーデン、切りばらコンテスト、認定ばらグッズの販売なども並行して行われていました。トークショーは、その中の「人の声でばら文化を運ぶ」柱に位置づけられます。

前日16日(土)の公式プログラムには、YouTuber「ガーデンちゃんねる」松尾祐樹さんによる耐病性ばらの楽しみ方、横浜イングリッシュガーデン河合伸志さんと入谷伸一郎さんのコラボ、New Roses編集長玉置一裕さんと大野耕生さんによる新品種とガーデン演出などが並んでいました。17日は、個人の庭づくり実践と、複数職種の対話に比重が移る日だと、公式の時間割だけを見ても整理できます。とにかく、2日間で「品種」「演出」「家庭の庭」の順に話題が深くなる構成です。

Rose Expo FUKUYAMA 2026 の公式告知ビジュアル
福山祭委員会が公開する Rose Expo FUKUYAMA 2026 の告知画像 [公式公開情報] 出典:福山祭委員会 ※著作権は原権利者に帰属します。出典表示は許諾に代わるものではありません。掲載に関するご指摘がございましたら、お問い合わせいただければ確認のうえ削除・訂正に対応します。

午前11時、後藤みどりさんの「ばら庭づくり」が刺さる理由

11時からの枠は、公式表記どおり「鉢でも小さなスペースでも夢をかなえる私のばら庭づくり」です。登壇は、有限会社コマツガーデン代表の後藤みどりさん。

公式プロフィールでは、山梨県笛吹市出身のローズファーマーで、40年前からオールドローズに傾倒し、無農薬栽培の食用バラや「ロザ メゾン」なども手がけていると紹介されています。僕にとって印象が強いのは、「憧れの存在」として紹介されている一方で、初心者向けのつるばらの仕立て方や庭のレイアウトまで落とし込んでいる点です。

公式説明では、2026年4月にNHK出版から出たムックの内容に沿って話すこと、撮影エピソードにも触れること、と書かれています。つまり、書籍の要約ではなく、現場の失敗と工夫が混ざったトークを想定した設計に見えます。

まあ、ばら祭の来場者層は幅広いはずです。ここで「大きな庭があれば」の話だけに寄ると、福山のマンションや狭小地の読者は置いていかれます。後藤さん枠は、公式が明示したとおり鉢・小スペースを正面に出しているので、地域の住宅事情と噛み合わせやすい、と読む向きもあります。

担当課や主催側の説明では、Rose Expo全体を「ばらの最新品種と暮らし方のショーケース」と位置づけています。午前の一本は、その入口を家庭規模の庭づくりに寄せた時間帯だと捉えられます。

コマツガーデンは、ショップ「ROSA VERTE」での教室や全国講演、食用バラのローズカフェ運営まで手がける、と公式に書かれています。ばら祭の来場者のなかには、苗を買って帰る人もいれば、「育て方を聞いてから買う」人もいるはずです。後藤さん枠は、後者に効く時間帯です。

福山市内の住宅事情を踏まえると、庭よりもベランダや狭小地の話が現実的な読者も多いでしょう。公式が「鉢でも小さなスペースでも」と明記しているのは、来場者の半数以上が実際にその条件で育てている、という仮説と整合します。さすがに、憧れのローズファーマーが語る内容を、そのまま大規模庭木の話に置き換えると距離が出ます。

コマツガーデン後藤みどりさん(公式掲載の講演者写真)
5月17日11時枠の登壇者・後藤みどりさん(福山祭委員会公式) [公式公開情報] 出典:福山祭委員会 ※著作権は原権利者に帰属します。出典表示は許諾に代わるものではありません。掲載に関するご指摘がございましたら、お問い合わせいただければ確認のうえ削除・訂正に対応します。

午後のコラボトーク、阿部容子さんらが聞かせる「庭の幸せ時間」

13時から14時は「私の庭の幸せ時間」。ガーデンデザイナー(かたくり工房)の阿部容子さんと、ガーデナー(branchplace)の天野麻里絵さんのコラボに、河本バラ園の育種家・河本麻記子さんがオンライン参加する構成です。

公式の紹介文では、庭づくりで何が一番楽しいのか、今はまっていることは何かを、三人がそれぞれの視点で話す、とあります。河本さん育種のばら紹介も交える、と明記されています。

一瞬、役割が重なりそうですが、公式が分けているのはデザイン(阿部さん)・育てる現場(天野さん)・品種の源流(河本さん)という三層です。企業の展示コーナーでは語りにくい「庭の時間の質」まで持ち込む枠だと、編集読みではそう整理できます。

僕自身は、育種名の羅列だけだと展示カタログと差がつきにくいと感じます。ここは公式が「幸せ時間」という言葉を使っているので、体験の言語化が主題だと理解するのが自然です。来場者が持ち帰るのは、品種リストだけでなく、「自分の庭で何を楽しむか」という問いの形になりやすい、と思います。

天野麻里絵さんは branchplace 名義、阿部容子さんはかたくり工房名義で紹介されています。河本麻記子さんのオンライン参加は、遠方の育種家の声を会場に入れる仕掛けです。コロナ禍以降、ハイブリッド講演は珍しくありませんが、ばら祭の文脈では「福山で育った品種の源流を、会場外から接続する」意味合いが強い、と読む向きもあります。

企業ブースでは、肥料や資材の比較が中心になりがちです。午後のコラボは、資材の前に庭の時間の使い方を語る枠です。開発者側ではなく、現場のデザイナーとガーデナーが同じステージに立つ点が、他の時間帯との差別化になっています。

見本市の表層と、福山が積み上げてきた「ばらのまち」文脈

Rose Expoの会場内には、公式どおり New Rosesコーナー、Welcomeガーデン(ローズスタイリスト大野耕生さんによる装飾)、ばら苗・園芸用品の展示販売、切りばらコンテスト、ミニばら盆栽、福山のばら史コーナー「Timeless Road」、認定ばらグッズ、ふくやまRoseCafeなどが並びます。

表層は新品種と買い物と写真映えです。一方で、福山祭委員会のサイト構成上、Rose Expoは「第59回 福山ばら祭2026」の配下に置かれています。つまり、2日間の室内イベントは、市内各所で展開するばら祭本体のハブとして機能している、と読む向きがあります。

報道やプレビュー記事が「何が出るか」に寄るのに対し、17日のガーデントークは「どう育て、どう庭に組み込むか」に軸を置いています。同じ会場でも、午前と午後で聞き手の持ち帰り方が変わる設計です。

Rose Expo 会場内催しの公式案内(New Rosesコーナー等)
公式が紹介する会場内コーナー(New Roses、Welcomeガーデン、切りばらコンテストなど) [公式公開情報] 出典:福山祭委員会 ※著作権は原権利者に帰属します。出典表示は許諾に代わるものではありません。掲載に関するご指摘がございましたら、お問い合わせいただければ確認のうえ削除・訂正に対応します。

切りばらコンテストやミニばら盆栽の展示は、育て手の技術がそのまま作品になるゾーンです。トークショーは、その手前で「なぜ育てるのか」「庭をどう使うのか」を言葉にするゾーン、と対比できます。来場者が午前から夕方まで滞在する場合、展示を見たあとに講演を聞くと、品種名が生活の文脈に落ちる、という導線ができています。

福山のばら史を紹介する「Timeless Road」や、認定ばらグッズの販売は、都市ブランドとしてのばらを見せる部分です。ガーデントークは、そのブランドを家庭の庭に翻訳する工程だと捉えると、Rose Expo全体の意味がつながります。

ガーデンデザイナー阿部容子さん(公式掲載の講演者画像)
5月17日13時枠のコラボトーク登壇・阿部容子さん(福山祭委員会公式) [公式公開情報] 出典:福山祭委員会 ※著作権は原権利者に帰属します。出典表示は許諾に代わるものではありません。掲載に関するご指摘がございましたら、お問い合わせいただければ確認のうえ削除・訂正に対応します。

公式情報の食い違いに注意しつつ、来年以降に観測できること

福山祭委員会のページには、「掲載内容は現時点での情報」「予告なく変更となる場合がある」という注意書きがあります。実際、トークの組み合わせやオンライン登壇は、直前まで差し替えが起きうるタイプのイベントです。

1~3年の時間軸で見ると、ばら祭とRose Expoがセットで続く限り、「品種の展示」から「暮らし方の講座」へ比重が寄るかが観測ポイントです。耐病性品種や鉢栽培の話は、16日(土)のプログラムにも登場しており、公式サイト全体で育てやすさが繰り返し語られています。地域の高齢化や庭の小型化を踏まえると、後藤さん・阿部さん枠のような講演が増えるのは筋が通る、というのは推測ですが、現時点の公式配置と矛盾しません。

来年以降、確認できるのは次のような点です。公式に同じ登壇者が戻るか、ムックや新書の発売タイミングと講演が連動するか、オンライン登壇が恒常化するか、です。僕は、福山のばらコンテンツが「観光の花見」から「家庭園芸の標準語」に寄るかどうかを、トークタイトルの変化で追うつもりです。

広島県内の他市町村でも、花のイベントは春に集中します。福山ばら祭が59回目まで続いている事実は、単発のフェスではなく都市の季節インフラに近い、という読み方ができます。Rose Expoの屋内開催は、天候リスクを吸収する装置でもあります。2026年は5月16・17日の2日間でしたが、今後、開催日数や会場が変わった場合でも、講演プログラムの質が維持されるかが、リピーターを決める要因になりやすいです。

なお、16日には曽我部翔さんによるローズブーケパフォーマンス(16:10~16:50)も公式に掲載されています。17日のガーデントークとは表現が異なりますが、同じ「花を文化として見せる」軸で、福山の5月はローズアリーナに集約されている、という横断の見方もできます。

来場者・市民説明の場では、無料入場の屋内イベントが、雨風の影響を受けにくいプログラムとして機能しているはずです。5月の広島県は天候のブレもありますが、ローズアリーナ型の会場は、講演と展示をセットで回すというばら祭の保険にもなります。

関連する公式導線は、Rose Expo個別ページ(https://fukuyama-matsuri.jp/smarts/index/395/)のほか、第59回福山ばら祭2026のトップ(https://fukuyama-matsuri.jp/bara/)から辿れます。当日の写真や来場者の声は、今後、主催者公式SNSや地元メディアの追報で補完される可能性が高いです。本稿は、2026年5月17日時点で公式に確認できたプログラム情報を軸にしています。