新世代宣言~福山の学生が創る「福山フェス」への支援募集

2025年7月、福山市内の中高生・大学生が中心となる「わたしたちの福山フェス実行委員会」は、クラウドファンディングサイトREADYFORで「新世代宣言~福山フェスが創る、新しい未来~」を公開し、第2回「わたしたちの福山フェス」の開催資金を募集しました。第一目標の30万円は公開からわずか1日で達成し、募集終了時点(2025年8月1日)の支援総額は54万3,000円、支援者は51人でした(いずれもREADYFOR掲載値。2026年5月19日時点でページを確認)。
福山市を拠点に「学生の居場所」を広げる一般社団法人スタイリィが伴走し、地元企業や団体も実行委員の挑戦を後押ししてきた取り組みです。とにかく気になるのは、「若者が企画から運営まで担う地域イベント」が、単発の祭りで終わらず、居場所づくりとセットで語られている点です。僕は最初、クラファン成功の数字だけが目に付きましたが、出典を当たると、資金の先に「中高生がまちの真ん中で文化をつくる」という設計がはっきり見えてきました。
スタイリィの「学生の居場所」から生まれた実行委員会
一般社団法人スタイリィは、高校生の声から福山市内に8つの「学生の居場所」をつくった団体です。居場所では勉強や雑談を通じて仲間が広がり、地域や企業とつながりながら「やりたいこと」を形にする——そんな流れのなかで、2024年には第1回「わたしたちの福山フェス」、2025年には第2回が企画されました。
READYFORのプロジェクト本文では、主催をスタイリィ、企画・運営を実行委員会(福山市の学生有志)と明記しています。共催は一般社団法人ミライゴトと福山市、特別協力にENT(エント)が名を連ね、名称・画像掲載について各団体から許諾を得ている旨も掲載されています。
実行委員会のメッセージには、「仲間も、資金も、ノウハウもなかったけれど、『やってみたい』がすべての始まりだった」「気づけば500人以上が集まり、福山の真ん中が笑顔であふれた」といった振り返りがあります。第1回の成功体験が、第2回の規模拡大とクラファン挑戦につながった構図と読めます。
スタイリィ広報担当(東京通信大学)のコメントでは、居場所で中高生と大学生が一緒に考え、「支えているだけではなく、中高生に支えられている」実感があると述べられています。まあ、大人側の伴走が「上から教える」だけで終わっていないことが、文章の温度から伝わってきます。僕は、NPOが主催名を出しつつ実行委員に企画の主導権を渡す形が、他県の学生イベントと比べても珍しい部類だと感じました。

第2回フェスの開催概要(2025年8月3日・中央公園)
第2回の開催は2025年8月3日(日)10時00分~14時00分、会場は福山市中央公園(広島県福山市霞町1丁目10)です。準備は前日16時~18時、片付けは14時~16時、撤収は18時までと、実行委員の動きが細かく割り当てられています。
企画の柱として、中高生が考えたオリジナルの盆踊りや、前回の片付け中に始まった「水の掛け合い」から着想を得た水掛けゾーン(プールや水鉄砲など)が挙げられています。セカンドゴール(60万円)達成を目指した際の使途案には、プール・アトラクションの購入・設置、看護師・救急救命士の配置、広告宣伝、熱中症対策グッズなどが含まれます。
当日プログラムとして、実行委員ブースのほか地域の出店、福山の中高生によるステージ出演が予定されていた旨が、スタイリィ公式note(2025年7月17日)でも案内されています。知りませんでしたが、第1回実行委員長(専修大学)の振り返りには、「何をしたらよいのか全くわからず、当日まで不安でいっぱいだった」一方で、協力者の言葉に背中を押されて走り切った、という正直な記述がありました。第2回世代への継承が、単なる引き継ぎではなく感情のバトンとして語られている点は、読み手の共感を呼びやすい材料です(ただし個人名の扱いは、公式掲載範囲の引用に留めています)。
READYFORで見える支援の規模と、募集終了後のページの意味
プロジェクトページ(https://readyfor.jp/projects/STUily )は、2026年5月19日時点で「成立」表示となっており、募集終了日は2025年8月1日です。したがって、新規の支援申込がいつでも受け付けられる状態かどうかは、ページ上の最新表示と活動報告で都度確認が必要です。ここを取り違えると、読者が空振りする——この種の論点では、クラファン終了後もプロジェクトURLが残ること自体が混乱を招きがちです。
一方で、達成過程は具体的です。第一目標30万円の翌日には、実行委員から「まだやりたいこと、叶えたい景色がある」とする更新が掲載され、水掛けゾーン実現に向けたセカンドゴールへの言及があります。2025年7月10日付の活動報告では、毎週土曜の夜店出店もフェスの資金集めの一環であることが明示され、クラファンだけに頼らない設計だとわかります。
資金は、会場設営・音響・テント、広告制作、スタッフTシャツ、毎土夜店への出店収入、スポンサー企業の協力などと併記され、学生側が複数の柱で資金を組み立てていることがわかります。READYFOR本文の支出イメージでは、会場設営・設備に100万円規模、広告に10万円、スタッフTシャツに5万円といった内訳が示され、学生側が削減案を出しながら調整している様子も書かれています。数字の総額とクラファン達成額は別レイヤーですが、「いくら必要で、何を自分たちで削ったか」が可視化されていること自体が、支援者の判断材料になっています。
| 項目 | READYFOR掲載の主な数値・日程 |
|---|---|
| 第一目標 | 300,000円 |
| 支援総額(終了時) | 543,000円 |
| 支援者数 | 51人 |
| 募集終了 | 2025年8月1日 |
| 第2回開催日 | 2025年8月3日(日)10:00~14:00 |
| 会場 | 福山市中央公園 |
資金面だけを見ると「十分集まった」ようにも読めます。ただ、実行委員の文章では、ステージ・音響・安全管理・暑さ対策など、運営コストの総額は依然として大きいことが示唆されています。達成率が高くても、イベント運営の固定費は消えない——このギャップが、継続的な地域協力の必要性につながります。

地元企業・団体のコメントが示す「大人の役割」
READYFORには、地元企業・団体関係者からの応援コメントが掲載されています。篠原テキスタイル代表からは「福山の若者たちが、自ら考え、動き、まちの未来を創ろうとする挑戦に強く共感した」「地場産業に携わる大人の立場として、何度でもチャレンジできる環境をともに築きたい」という言葉があります。福山シティFC代表からは、「若者だけのフェスではなく、このまちの未来をつくる、みんなの挑戦」という趣旨のメッセージが掲げられています。
企業側の広報では、こうした応援は「寄付の宣伝」だけでなく、採用・地域ブランド・次世代との接点としても意味を持ちます。僕自身は、スポーツクラブや繊維産業といった福山の顔が、同じプロジェクト文面に並んでいる点に、意外と強い一体感を感じました。
スタイリィ代表理事の隅田航氏は、福山シティFC引退後に「ピッチの外でまちのために何ができるか」を考え、福山に残ることを決めた経緯を述べています。「福山フェスは、ただのお祭りではない。中高生が『やりたいこと』を通じて地域の課題に向き合い、解決のきっかけをつくる場」——大人側は、実行委員の企画を伴走と実務支援で受け止める姿勢が強調されています。
若者流出と市街地の空洞化——フェスが向き合う背景
プロジェクト本文では、福山市における学生の地域離れや、「やりたいことは福山じゃできない」という声が繰り返し挙げられます。駅前や商店街のにぎわい減少、若者減少が進んだ場合の店舗・雇用・子育て・老後への波及も、学生の言葉として具体的に書かれています。
ここで重要なのは、課題認識を行政資料の要約だけにせず、実行委員自身の動機として再構成している点です。第2回実行委員長(近畿大学附属広島高等学校福山校)のコメントでは、少子高齢化やつながりの希薄化、市街地の空洞化のなかで「福山の魅力を、まちの人とともに再発見し、未来につなぐ場をつくる」としています。副実行委員長(福山暁の星女子高等学校)からは、学校を超えた学生交流が地域に根を張るきっかけになる、という期待が示されています。
福山市の公式施策と接続するなら、地域活性化や市民参加型イベントは長期的なテーマです。ただ、本プロジェクトの強みは、統計を述べるのではなく、「中高生がやるから意味がある」という当事者性を前面に出していることです。僕は、同じ「空き店舗」論点でも、大人会議の議事録調より、実行委員の文章のほうが読者の行動(シェア、協力、参加)につながりやすいと読みました。編集上の読みとして、ここは「地域課題の説明会」ではなく「挑戦の宣言文」に近い体裁です。
1~3年の時間軸で見ると、単年のフェス成功だけでは転出超過の統計は動きにくい可能性があります。それでも、「中高生が本気で企画したイベントが、共催に福山市を据え、中央公園で繰り返し開かれる」事実は、まちづくりの文脈で観測可能なシグナルです。次に注目できるのは、第3回以降の開催有無、居場所ネットワークの拡張、企業協賛の継続です——現時点では、公式のInstagramアカウント(STUily/わたしたちの福山フェス)とスタイリィ公式noteでの発信が、一次に近い更新源になります。

2026年5月時点で読者が確認できる接点
依頼文ではREADYFORでの資金調達が示されています。2026年5月19日時点のプロジェクトページは成立・募集終了(2025年8月1日)表示のため、支援の可否は必ず最新のページ表示と活動報告で確認してください。第2回イベント自体も2025年8月3日開催済みです。
それでも、この取り組みを追う価値は残ります。実行委員会は「次の世代につながるはじまり」と位置づけており、スタイリィは居場所運営を継続しています。情報の優先順位は次のとおりです。
1. READYFORプロジェクトページ … 達成額・使途・関係者コメントの記録 https://readyfor.jp/projects/STUily 2. 一般社団法人スタイリィ公式note … フェス告知・背景説明 https://note.com/fukuyamashachu/n/n6c61aabee591 3. Instagram … STUily(@stuily00)、わたしたちの福山フェス(@fukufest)— プロジェクト本文に記載のアカウント
地元企業の大人たちがコメントで支援を表明しているように、金銭以外の協力(物資、会場周辺の声かけ、広報、ボランティア人手)も、学生主導のイベントでは実務上効きます。さすがに、ここは「寄付URLだけ見て終わり」にしにくい構造です。
第1回のクラファン(別プロジェクト「福山城×中高生の絆」等)の流れを辿ると、スタイリィと実行委員会は、地震支援をテーマにした夏の祭典から、より一般化した「わたしたちの福山フェス」へと名称と規模を広げてきた経緯があります。PR TIMESの過去リリース(2024年頃)でも、中高生によるクラウドファンディング挑戦が報じられており、数年単位で続く学習曲線がうかがえます。2025年のREADYFORは、その延長線上の第2回フェス向け資金調達として位置づけられます。
福山駅前や観光資源(福山城、鞆の浦など)を持つまちが、学生イベントでにぎわいを作る試みは、宿泊・飲食への波及を期待されがちです。一方、1日イベントの来場者数だけでは持続的な雇用は生まれません。だからこそ、プロジェクトが掲げる「居場所づくり」「文化として残す」という言葉が、単発の来場者動員より重く書かれているのだと、僕は理解しています。
福山の学生が創るフェスは、READYFOR上の「新世代宣言」という言葉どおり、若者が主体となり、行政・NPO・企業が横に並ぶモデルケースとして読めます。次に動きが出るのは、おそらく公式SNSとスタイリィ経由の告知——2026年夏以降に新しい募集や第3回開催の案内が出たかどうか、そこを定期的に見るのが現実的な追い方です。
