福山市加茂町で悪臭問題深刻化、苦情増加——本年度の相談件数、既に昨年度並み

広島県福山市北部の加茂町一帯で、断続的に発生する原因不明の悪臭が住民を悩ませ続けています。中国新聞デジタルは2026年6月16日、市に寄せられた本年度の苦情・相談件数が、既に昨年度1年間と同水準に達したと報じました。市は発生源は特定できていないとしつつ、一因とみられる市内の業者と協議を重ね、臭いの低減を目指している——と同紙が伝えています。
2022年ごろから問題化したとされる悪臭は、夏場の夕方以降に強く、「糞尿(ふんにょう)のような臭い」という訴えが中心です(山陽新聞デジタル・2025年3月3日付)。本記事は、2026年6月17日時点で確認できる中国新聞・山陽新聞・福山市公式の公開情報に基づき整理したものです。
6月16日報道——「窓も開けられない」粟根西の声
中国新聞(6/16)は、同町粟根西町内会の瀬良哲志会長(70)の証言を紹介しています。「臭いがひどくて、涼むために窓を開けたくても開けられない」——ふん尿のような臭いで、屋外に洗濯物を干すのを控える日もある、と同紙が伝えました。
報道写真は、加茂町一帯をドローンから撮影したもの(撮影・山本誉)で、住宅と田畑が混在する山あいの地形がうかがえます。僕は、「臭い」が数値化しにくい環境問題ほど、住民の生活実感と行政の測定結果のズレが表に出やすい——と、この手の報道ではいつも感じます。
苦情件数の推移——1件から10件、そして「今年は既に昨年並み」
山陽新聞(2025年3月)が市の説明として整理した苦情・相談件数は次のとおりです。
| 年度 | 件数(市への苦情・相談) |
|---|---|
| 2022年度 | 1件 |
| 2023年度 | 3件 |
| 2024年度 | 10件 |
| 2025年度(2026/6/16時点) | **既に2024年度の1年間と同水準**(中国新聞) |
知りませんでしたが、2024年度は職員が10回現地調査したものの、臭気を採取できたのは9・10月の2回のみ——いずれも悪臭防止法の規制値未満だった、と2025年3月の市議会答弁報道(山陽新聞)にあります。編集としては、苦情は増えているのに、採取時点では法定基準を下回る——このギャップが、住民の「行政は何をしているのか」という不信感につながりうる、と読む向きもあります。
市の対応——調査体制の増強と業者との協議
2025年3月3日の定例市議会では、枝広直幹市長が「一日も早く住民の不安が解消されるよう全力で取り組む」と答弁しました(山陽新聞)。市は2025年度に発生源特定の調査を強化する方針で、主な内容は次のとおりです。
– 臭気調査の職員を1回あたり2人→4人に増員 – 情報提供地点の周辺まで調査範囲を拡大 – 夏場中心に1~数週間の継続調査も検討 – 臭気測定の民間委託など事業費100万円を当初予算案に計上
2026年6月16日の中国新聞は、市が「発生源は特定できていない」としつつ、一因とみられる市内の業者と協議を重ね臭い低減を目指している、と報じています。業者名や協議内容の詳細は、同紙が有料記事のため本稿執筆時点では全文を確認できていません——続報での公表が観測点です。
現場では、加茂町は住宅と田畑が混在し、農業・畜産が営まれる地域です(山陽新聞)。まあ、ふん尿型の臭いという住民の描写から、畜産・堆肥・排水が疑われがちですが、市は原因を確定していない——推測と事実を分けて読む必要があります。

測定と生活——表層の「臭いひどい」と、悪臭防止法の限界
表層は「臭いひどい」という住民の訴え、本質は行政が法的規制で直接動けるラインと、日常の快適被害の距離——と整理できます。悪臭防止法は規制対象の事業場などに適用され、採取できた2回は規制値未満だった——2025年3月報道の整理どおり、直ちに法的措置に結びつかない局面もありえます。
僕自身は、夕方以降・夏場に強いというパターン——気象条件で臭気が滞留しやすい時間帯——と、職員の「情報提供後に随時」出動型調査では、発生タイミングを外すリスクがある、とセットで考えたくなります。市が検討した継続的調査は、その穴を埋める方向、と2025年3月の答弁から読み取れます。
加茂町の別論点——PFASと土壌調査(悪臭とは切り分け)
同じ加茂町では、深山川(みやまがわ)でPFAS(有機フッ素化合物)が国の暫定指針値を超えた問題も報じられています(福山市公式・中国新聞等)。水質・健康調査の文脈であり、今回の悪臭の原因として市や報道が結びつけているわけではない——混同しないことが重要です。
編集としては、環境不安が重なる地域ほど、悪臭1件の相談にも温度が乗りやすい——2026年6月16日の報道が「深刻化」として注目を集めた背景、と指摘されがちです。1~3年の時間軸では、発生源の特定有無、継続調査の実施結果、業者協議の成果が、加茂町の生活環境議論の分岐点になります。
相談窓口と、これから観測すべきこと
悪臭・公害全般の相談窓口は、福山市役所環境保全課(直通084-928-1072)です(市公式)。苦情の際は、日時・場所・臭いの種類を具体的に伝える——調査の起点になります。
とにかく、次に観測できるのは次の点です。
– 中国新聞の続報(業者協議の中身、2025年度の最新相談件数の公表) – 夏場(2026年7~8月)の継続調査で臭気採取が増えるか – 市議会での進捗答弁・追加予算
意外と、「昨年度並み」という表現——2024年度10件と同数に達した、という読み方が報道から可能ですが、2025年度の最終件数は年度末まで変動します。6月中旬時点のスナップショット、と理解したうえで、秋以降の公式数字を見比べるのが確実です。


情報源の整理
2026年6月16日付中国新聞(記者:浜村満大)を主ソースとし、2025年3月3日付山陽新聞の市議会報道で苦情件数・調査体制を補完しました。発生源の特定状況、業者名、2025年度の確定件数は、有料記事部分や未公表のため本稿では断定していません。悪臭の原因推定(畜産・工場等)は報道・市の確定情報がない限り記載していません。
