2027年国際園芸博覧会への福山市出展、プロデュース業務を8月7日まで公募——「ローズマインド」を世界へ出す試み

経済・ビジネス

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プロポーザル実施要領の紙面 [自治体の公式公開情報] 出典:福山市公式サイト(2027年国際園芸博覧会 福山市出展総合プロデュース・広報業務 プロポーザル実施要領) ※著作権は原権利者に帰属します。出典表示は許諾に代わるものではありません。掲載に関するご指摘がございましたら、お問い合わせいただければ確認のうえ削除・訂正に対応します。

福山市が、2027年国際園芸博覧会への出展に関する「総合プロデュース・広報業務」の委託業者を公募型プロポーザルで選定します。参加申込期間は2026年7月23日(木曜日)から8月7日(金曜日)まで。

僕がこの案件で確認したのは、業務名の構成でした。「総合プロデュース・広報業務」。展示の設計だけでなく、広報まで含めて1本の契約にしています。

出展の中身を決める業者から選ぶ段階

項目内容
業務名2027年国際園芸博覧会 福山市出展総合プロデュース・広報業務
参加申込期間2026年7月23日(木)〜8月7日(金)
選定方式公募型プロポーザル
公開資料公告文、実施要領、評価基準、業務委託仕様書、提出書類様式、質問書
担当福山市(ばらのまち福山サイト内で告知)

2027年国際園芸博覧会は、横浜市の旧上瀬谷通信施設跡地で2027年3月から9月まで開かれる予定の博覧会です。国際園芸家協会(AIPH)が認定する最高位の「A1」クラスと、博覧会国際事務局(BIE)が認定する「B」クラスの両方に該当する国際博覧会として位置づけられています。

つまり万博と同格の国際的な催しに、福山市が単独で出展するという話です。

いや、僕がここで注目したのは、業務の発注時期です。博覧会の開幕は2027年3月。プロポーザルの参加申込が2026年8月7日までなので、契約から開幕までおよそ半年強しかありません。

さすがに、出展の基本方針は市の側で固まっているはずです。プロデュース業務というのは、方針を具体的な展示と広報に落とす作業でしょう。

添付資料は6種類公開されています。公告文(262KB)、プロポーザル実施要領(158KB)、評価基準(243KB)、業務委託仕様書(438KB)、提出書類様式(PDFとWord)、質問書(PDFとWord)。

仕様書が438KBあり、他の資料より大きい。求める業務の範囲が細かく書かれているようです。

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公告文の紙面 [自治体の公式公開情報] 出典:福山市公式サイト(公告文) ※著作権は原権利者に帰属します。出典表示は許諾に代わるものではありません。掲載に関するご指摘がございましたら、お問い合わせいただければ確認のうえ削除・訂正に対応します。

表層は「業務委託の公募」、本質は「ばら以外の説明を持てるかの試験」

このページが置かれているのは、市の通常の入札情報ページではありません。「ばらのまちホーム」という専用サイトの中です。パンくずリストが「ばらのまちホーム > 2027年国際園芸博覧会 福山市出展総合プロデュース・広報業務に係るプロポーザルの実施について」となっています。

そしてページの下部に、市の自己紹介が長く置かれています。

「温暖な瀬戸内海の中央に位置する広島県福山市。潮待ちの港として古くより栄えた鞆の浦や、鎌倉時代に明王院の門前町として栄えた草戸千軒などを擁し、江戸時代には福山藩として文化・産業を育んできました」。

続けて空襲の記述が入ります。「しかし、1945(昭和20)年8月8日の大空襲によって市街地の約8割が焼失し、多くの尊い命が失われました」。

そして復興です。「戦後の混迷を抜け出せない中、1950年代半ばに、南公園(現在のばら公園)に近隣の住民がばらの苗1,000本を植えました。ここから、『ばらのまち福山』の歴史が始まりました」。

僕はこの記述の順番を、そのまま出展の骨格だと読みました。港町の歴史、空襲による焼失、住民が植えた1,000本のばら、そこから今に続く活動。

市はそれを「ローズマインド」という言葉でまとめています。「ばらを通じて“思いやり・優しさ・助け合いの心”を表す『ローズマインド』をはぐくんでいこうという想いがあります。この”福山のこころ”を世界へ、次の世代へ、届けます」。

意外と、これは難しい注文です。園芸博覧会で自治体が出展すると、多くの場合は花壇や庭園の展示になります。植物の見せ方の競争です。

そこに「思いやり・優しさ・助け合いの心」という抽象概念を持ち込むには、翻訳が必要になります。海外から来る来場者に、日本語の造語をどう伝えるか。

まあ、この翻訳作業こそが「総合プロデュース」の中身でしょう。

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業務委託仕様書の紙面 [自治体の公式公開情報] 出典:福山市公式サイト(業務委託仕様書) ※著作権は原権利者に帰属します。出典表示は許諾に代わるものではありません。掲載に関するご指摘がございましたら、お問い合わせいただければ確認のうえ削除・訂正に対応します。

ばら1,000本という起点の数字

市の記述にある「ばらの苗1,000本」という数字を、僕は重要だと思います。

1950年代半ばに、南公園(現在のばら公園)に近隣の住民が植えた。行政が主導したのではなく、住民が植えた話として書かれています。

福山市はこの起点を長く使い続けています。2026年の広報でも、自動運転バスのラッピングデザインの説明に「かつて復興の願いとして植えられ、まちの象徴となったばら」という表現が出てきます。市の事業のあちこちに、この物語が入っています。

そもそも自治体が国際的な催しに出展するとき、いちばん困るのは説明の軸です。人口46万人の地方都市が、海外の来場者に何を伝えるか。産業を語れば他都市と重なり、風景を語れば規模で負けます。

ばらと復興を結ぶ物語は、その点で強い。花の博覧会という文脈にも合います。

そして今年、市は新品種「キャンディーローズフクヤマ」を打ち出しています。1950年代の1,000本から、現代の新品種へという流れが作れます。

僕が気にするのは、この物語が国際博覧会の会場で通用するかです。日本国内では通じます。空襲からの復興という文脈を共有しているからです。海外の来場者には、まず福山という都市の位置と歴史の説明から必要になります。

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実施要領の続き。参加資格と手続きの記載 [自治体の公式公開情報] 出典:福山市公式サイト(プロポーザル実施要領) ※著作権は原権利者に帰属します。出典表示は許諾に代わるものではありません。掲載に関するご指摘がございましたら、お問い合わせいただければ確認のうえ削除・訂正に対応します。

追いかけるべき点

僕が追いたいのは3つです。

ひとつめは、契約業者と契約額です。参加申込が8月7日までなので、選定結果は8月中から9月に公表される見込みです。市が公開している評価基準(243KB)に配点が書かれているため、何を重視して選んだかは結果と併せて検証できます。

ふたつめは、出展の規模です。国際園芸博覧会の出展形態には、屋外の庭園展示、屋内展示、催事への参加など複数の枠があります。福山市がどの枠で出るかは、仕様書を読まないと分かりません。

みっつめは、市内への波及です。国際博覧会への出展は、来場者に見てもらうことが目的ですが、福山市への訪問につながらなければ投資効果は限られます。横浜と福山は距離があるので、その動線をどう作るか。

参加を希望する事業者向けの資料は市の公式ページからPDFで公開されています。

参照した主な情報

福山市「2027年国際園芸博覧会 福山市出展総合プロデュース・広報業務に係るプロポーザルの実施について」